寿司の由来と歴史 ~いなり寿司・ちらし寿司の由来も併せて~
今や私たちが暮らす日本料理の代名詞でもあるといえる「寿司」ですが、そもそもの由来はどこにあるのでしょうか?
寿司の起源や歴史も一緒にまとめてみようと思います。
寿司という言葉の語源について
ひとくちに「すし」と言っても、その種類は様々ありますが、「すし」というのはご飯にお酢を混ぜた「酢飯(すめし)」が語源だとされているそうです。
「すし」という漢字には「鮨」「鮓」「寿司」といったようなものがありますが、そのどれもが「当て字」だということです。
「鮨」というのは「魚が旨い」ということに由来しており、「鮓」というのは、魚を塩や糠などに漬け込んで保存するといったことに由来しているのだといいます。
そして「寿司」というのは「寿(ことぶき)」を「司(つかさどる)」と言った意味があり、縁起の良い・めでたい席で食べられるものといったようなことに由来しているのだとされています。
寿司の歴史について
すしというのは、そもそもは「米と魚を醗酵させた保存食(馴れずし)」であったということはご存知でしたでしょうか?
この馴れずしの起源は東南アジアだとされており、川魚を、コメなどの穀類を炊いたものと一緒に漬け込むことによって、コメの醗酵を利用して魚を保存していたことだといいます。
それが、日本では奈良時代に入るとアユやフナを漬け込んだ馴れずしが食べられるようになったのだといいます。
その期間は10日間のものもあれば1年間のものもあるといい、素材は川魚が中心だったんだそうです。
しかし、安土桃山時代に入ると「酢」というものができ、これによってすしは大きく変わったといい、馴れずしから押しずしという「ご飯も一緒に食べるすし」へと変貌していきました。
それと同時に、川魚から海の魚へとネタも変わっていったのだといいます。
そして、江戸時代の後期になると「その場で握って食べる」という屋台での握りずしのスタイルが誕生し、日本料理の「煮物(タコ・イカ)」「焼き物(玉子)」「刺身(マグロ・ヒラメ)」といったものを乗せて食べるという、いわばファストフードのような感じで親しまれるようになっていきます。
それが、戦後に「屋台でものを売ること」が禁止されたこともあり、現在の「お店で板前さんに握ってもらいながらゆっくりと味わう物」になっていったのだということです。
寿司の種類ごとの由来
・稲荷寿司:稲荷寿司(いなりずし)の語源というのは、稲荷神の使いであるキツネの好物である「油揚げ」を使用することから名づけられたとされています。
・ちらし寿司:この由来については、その昔備前で大洪水があった時に、いち早い復旧のために「汁物一品と副食一品以外を禁止する」といった内容の「一汁一菜令」が出されたことによって「沢山の魚や野菜を混ぜ込んだ寿司飯」を一菜としたという庶民の知恵によって作られたことが始まりだとされているそうです。
・参考記事
http://gogen-allguide.com/su/sushi.html
http://rakanzusi.web.fc2.com/susinorekisi.htm
http://gogen-allguide.com/i/inarizushi.html
http://nothing-serch.com/chirashizushi-2674.html 他