日本人の由来・起源 ~そのルーツは遺伝子をたどると見える?~
世界には沢山の人がいますが、国や地方によって様々な特徴がありますよね。
皆さんは私たち「日本人」の起源というものについて考えたことはあるでしょうか。今回は、日本人の由来や起源についてまとめてみようと思います。
はじめに
まず最初に言っておかなければならないのは、日本人の起源やルーツに関してはまだまだ研究の途中で、今出ている説というのはあくまでも「仮説である」ということです。
ですので、今回まとめている記事は現時点での最新の「仮説」ということになりますので、そちらを踏まえて読んでいただければと思います。
日本人の起源のカギは「DNA」にあった
日本人の起源について、今現在でも「国立遺伝学研究所」の方たちが研究をされていらっしゃいますが、起源やルーツを研究していく上で欠かせないのは、人間のDNAなんだそうです。
幾度となく見直されてきた日本人の起源の説ですが、年々DNAの分析技術が高まっていく中で、新たな事実が明らかになりつつあるのだそうです。
そもそも日本人のルーツは「縄文人」にあるとされてきました。
縄文人というのは、1万数千年〜2千数百年前まで続いた「縄文時代」を生きていた人たちの事で、この縄文人と呼ばれる人たちのルーツは、大陸からやってきた「弥生系」の人々にあるとされてきたのだといいます。
しかし、発達したDNAの分析によって、大陸の人(中国や東アジアなど)たちのDNAと日本人のDNAの特徴というのは少し違っていて、日本人のDNAの方が平均して縄文人のDNAに、より近いという分布図が結果として出たそうなんです。
このことによって「日本人のルーツである縄文人の祖先は大陸から来た弥生系の人」という説とは違う仮説が立てられたのだといいます。
では、私たち日本人の祖先である縄文人とは、一体どんな人たちだったのでしょうか。
Y染色体をだどっていけばルーツがわかる?
少し難しい話になりますが、人間のDNAの中には「X染色体とY染色体」というものが存在しており、Y染色体というのは父親から息子へと受け継がれていくという特徴をもっています。
この特徴から、Y染色体を辿っていけば、男性の先祖が判明するということだそうです。
そして、Y染色体を遡るという研究を世界中で行ったところ、大きく分けて20グループのY染色体があるのではないかとされているそうです。
グループごとによって古いY染色体か比較的新しいY染色体かがわかるそうなんですが、日本人は、中国や韓国で多数を占めるグループの次に、比較的古いタイプのY染色体を持った人が沢山いることがわかったといいます。
このことから、比較的古いY染色体を持っている縄文人がもともといたところに、後から弥生系(大陸)の人たちがやってきて、その両方の人たちをルーツとして今の日本人があるのではと推測されているということです。
また、同じグループの比較的古いY染色体を持った人たちは、チベットやインド洋のアンダマン諸島にいるということから、縄文人と呼ばれた人たちは、もともとこの地域の人だったのではという推測もされているのだそうです。
・参考記事
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/05/0529.html