「愛」という言葉の由来 ~漢字の成り立ちや「めぐみ」という名前の言われなども併せて~
私たち日本人は「愛」という言葉をどのようにとらえ、どのように使用しているのでしょうか。
日本人にとってはあまり普段使わないであろう「愛」という言葉の由来や成り立ちについてまとめてみようと思います。
愛という言葉の由来
現代における「愛」という言葉の意味は「相手をいとしおしくかわいいと思い、守りたい」という気持ちや思いを表現するための言葉とされています。
日本人は、日常的にあまり「愛」ということばを口に出してはいいませんが、感情的・感覚的な意味はちゃんと把握していると思います。
だれに教えられたというわけではありませんが、大切な物や人が出来た時に、その感情を「愛」というのだと実感された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この「愛」という言葉が入ってきたのは、仏教と共に日本に入ってきたと言われており弘法大師が伝えたとされています。
仏教の信仰対象である「愛染明王(あいぜんみょうおう)」が愛の象徴とされており、この当時の愛は「性愛」という意味だったのだそうで、現代における「愛」の意味合いとは少し異なっていました。
全然違うと思われるかもしれませんが、性愛というものは、大きな「愛」の感情の中の一つではあると思いますので、間違いではなく、とてもシンプルな表現だと思います。
だからといって、卑猥な意味合いではなかったといいます。
そして、日本にキリスト教の文化が入ってきた時に、「Love」の言葉に当たる日本語として「愛」が使われるようになり、現代の意味合いになっていったのだとされています。
愛という漢字の成り立ち
「愛」という漢字は「胸がいっぱいになるほどの切なさ」という、気持ちが苦しい状態を表している漢字です。
「愛」の文字の上の部分は「人間が腹いっぱいに詰まらせてうーんと後ろにのけ反った姿を表しているのだといいます。
これは「慨」の文字などに使われている一番右側の部首(カイ・アイ)が変形したものだそうです。
その「いっぱいで苦しい」という気持ちが「心に表れている」状態ですので、真ん中には「心」が入っています。
そして、「苦しさで歩みも滞る」という意味から、あしずりの形を表している「ユウ」という文字を添えているのだと言われています。
愛とめぐみは似た意味を持っている
めぐみという言葉は、「愛」という文字が入った言葉から出来ているのはご存知でしたでしょうか。
めぐみという言葉の意味は「恩恵をうける」という意味の他にも、「情をかける事・いつくしみ」といったような意味も持っています。
これは、「いとおしい」「かわいい」といった意味を持つ「めぐし(愛し)が動詞化した「めぐむ(恵む)」という言葉の名詞形なのだそうです。
めぐみという言葉には「切ないほどかわいい」「いとおしい」といった、まさに愛に溢れた意味も含まれており、愛だけではなくてめぐみという言葉も、我が子の名前として使用されています。
・参考記事
http://okwave.jp/qa/q1767293.html
http://okjiten.jp/kanji3.html
http://bookstand.webdoku.jp/news/2014/01/06/080000.html 他